ブログ一覧


医療法人設立におけるメリットは?意外と知らないデメリットも紹介!

個人事業主として医院を開業している方の中には、医療法人の設立に興味を持っている方もいるでしょう。

とはいえ、医療法人の特徴が良くわからず、手続きを躊躇してしまっている方も多くいるはずです。

そこで今回は、医療法人の特徴や設立のメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。

 

・医療法人とはそもそも何?

医療法人とは、国の認可を受けて設立される医院や診療所、老人保健施設のことです。

医療法に基づいて国に申請を行い、各都道府県知事の認可を受けることによって、医療法人として認められます。

 

・医療法人設立のメリットは?

では次に、医療法人を設立するメリットについて詳しく見ていきましょう。

 

・・節税効果を得られる

個人事業主として医院を開業している方が医療法人を設立することによって、節税効果を得られます。

例えば、夫や妻、子どもなどを役員として在籍させ、役員報酬として給与を支給することにより、給与所得控除の恩恵を最大化しやすくなるため、医院にかかる税金を軽減できるのです。

他にも、医療法人だからこそできる節税対策が複数存在していますので、利益を最大化したい方にはおすすめといえます。

 

・・スムーズに相続を行えるようになる

個人で経営している医院を子どもなどに相続する場合は、相続税が発生します。

しかし、医療法人を設立した場合は、相続ではなく「継承」になりますので、理事長の名前を変更するだけで手続きが完了するのです。

 

・・退職金を支払えるようになる

従業員に対して退職金を支払えるようになることも、医療法人を設立する大きなメリットです。

特に役員の場合は、生命保険の途中解約を利用して役員退職金を準備できるため、非常にお得といえます。

役員が加入している生命保険は、半分を経費として計上できるため、途中解約をすることによってそれまでに支払った保険金以上の額を退職金として受け取れるようになるのです。

 

・・事業拡大をスムーズに行えるようになる

医療法人を設立することによって、分院や介護事業所などを同時に経営できるようになります。

複数の事業所を開設することにより、当然収益増にも繋げやすくなりますので、さらなる高みを目指している方にとっては大きなメリットといえるでしょう。

 

・・資金調達のハードルが下がる

個人事業主の場合でも、融資を受けることは可能です。

ただ、個人の場合は融資にあたっての条件が厳しくなりやすく、尚且つ保証人も必要になります。

医療法人の場合は、理事長が保証人になることで融資を受けられる可能性があるため、実質1人で資金調達ができるようになるのです。

 

さらに、名義を法人にできるため、理事長自身のリスクを分散させることも可能になります。

 

・・欠損金の繰越年数が長くなる

個人事業主の場合、欠損金の繰越期間は3年です。

一方、医療法人の場合は最長9年間繰り越せるようになりますので、税負担を平準化しやすくなります。

 

・医療法人設立のデメリットは?

医療法人を設立することによって、様々なメリットを得られるようになります。

ただ、そんな医療法人にもいくつかのデメリットが存在しているのです。

以下、医療法人を設立することによって発生する代表的なデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

 

・・運営や管理の手間や負担が増える

医療法人に限った話ではありませんが、法人を設立した場合は、個人事業主の頃よりも複雑な事務手続きが必要になりますし、提出しなければならない書類も増えます。

このようなことから、運営や管理に手間と負担がかかりやすくなるのです。

 

・・余剰財産が国に持っていかれる

医療法人を設立する場合は、閉院するときのことまで考えておかなければなりません。

なぜなら、閉院する際に余剰財産がある場合、つまり法人にお金が残っている場合は国に持っていかれてしまうからです。

 

余剰財産を国に持っていかれないようにするためには、役員退職金などを活用しながら、できるだけ法人に財産が残らないように工夫していかなければなりません。

 

・・厚生年金への加入が必須になる

個人事業主として活動している場合で、従業員が5人未満の場合は社会保険と厚生年金の加入義務が発生しません。

しかし、医療法人を設立した場合は、従業員が5人未満であっても社会保険と厚生年金への加入が義務付けられます。

 

・まとめ

医療法人とは、国から認可を受けた医院や診療所、老人保健施設のことです。

そんな医療法人には、個人事業主にはないメリットや恩恵があり、上手に活用することによって財産も残しやすくなりますし、事業拡大も行いやすくなります。

 

もちろん、医療法人ならではのデメリットもいくつか存在していますが、事業拡大を検討している方や節税効果を高めたい方、あるいは将来的に事業継承を行いたいと考えている方にとってはメリットの大きな施策です。

 

ただ、医療法人の設立手続きは非常に複雑であり、自分自身で行うことは難しいため、少しでも気になっている方は専門家に相談することをおすすめします。

プライバシーポリシー  /  特定商取引に基づく表記      Copyright (C) 2022 姶良・霧島行政書士法人. All rights Reserved.