介護タクシー(福祉タクシー)事業とは、正式には、一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送限定)といい、事業開始の為には許可を取得する必要があります。
介護タクシー事業の開業許可の為の要件は
1.車
2.免許
3.人
4.欠格要件
5.営業所
6.車両保管場所
7.休憩施設
8.任意保険
9.資金計画
等の条件があります。
1.車両要件
①車両が1台以上ある
②申請者(依頼人)が車両の使用権限を持っている
③使用する車両が福祉車両又は一般車両である
②については、リース以外は車検証の名義が申請者本人でなければならず、法人の申請の場合は、法人名義でなければなりません。(代表者名義ではダメです)
③については、車検証にて「車いす移動車」と記載されていれば福祉車両です。
事業において福祉車両を使用する場合には、仮に介護の有資格者が居ない場合でも許可取得が可能です。
逆に、一般車両を使用する場合、介護の有資格者が居なければ許可取得が出来ません。
資格とは、一般的には介護福祉士・訪問介護員・居宅介護従事者・ケア輸送サービス従事者研修・介護職員初任者研修を指します。
これらの資格をお持ちでない場合は、介護職員初任者研修を受講し、修了証を取得することで許可要件を満たすことが出来ます。
他にも福祉車両は、導入費用が高くなりますが、自動車税・任意保険が安くなることが多いので、維持費は抑えられるというメリットがあります。
2.免許要件
使用する車両が福祉車両でも一般車両でも、常勤の運転者は普通自動車第二種免許を取得していることが必要です。
申請時点で取得していない場合は、許可が下りる時までに取得するという見込を申請時点で明らかにする必要があります。
3.人員要件
①普通自動車第二種免許取得者
②運行管理責任者
③整備管理責任者
④指導主任者
⑤苦情処理責任者
①については、事業者本人でなくても従業員に免許取得者が居れば大丈夫です。
②については、車両台数が4台までなら特別な資格は必要ありません。1人の場合はドライバーとの兼務が可能です。
車両台数が5台以上の場合は、運行管理者資格保持者が運行管理者となる必要があり、補助者も選任する必要があります。
この場合、ドライバーとの兼務は出来ません。
③については、車両台数が4台までなら特別な資格は必要ありません。
車両台数が5台以上の場合は、整備管理者資格保持者が整備管理者となる必要があり、補助者も選任する必要があります。
いずれの場合でも、ドライバー・運行管理者との兼務が可能です。
④については、ドライバーに対し、営業エリアの地理の指導や利用者への接遇を指導する者で、運行管理責任者等との兼務が可能です。
⑤については、問題発生時のクレーム対応責任者です。こちらも運行管理責任者等と兼務が可能です。
結果として、1人で開業する場合、①~⑤を兼務することで、ドライバー1人での営業開始も可能となります。
4.欠格要件に該当しないこと
①1年以上の懲役・禁固の刑を受け、その刑の執行が終わり、2年を経過しない方
②各種自動車運送事業の許可取消処分を受けて2年を経過しない方
③成年者と同等の営業能力が無い未成年者
④白ナンバー営業、ナンバー貸などで2年以内に処分を受けた方
⑤法人で申請する場合で役員に1~4の者が居る場合
これらの方が許可申請をしても、欠格要件に該当するとの理由で申請が通りません。
5.営業所要件
①同一都道府県内の営業所区域内に事務所があること
②土地建物が建築基準法等の各種法令に抵触しないこと
③3年以上の使用権限があること(賃貸の場合は事業用として契約していること)
④事務所・休憩施設が分かれている、パソコン・電話があるなど適切な事務所形態を備えていること
事務所予定地がある場合は、まず、各種法令の確認から進めていくことをお奨めいたします。
当事務所においては、ご依頼を受けた場合、先にこれらの要件確認を行わせて頂きます。
6.車両保管場所の要件
①営業所から直線距離で2km以内にある
②保管車両の前後左右に50cm以上のスペースがある
③介護タクシー専用のスペースである
④3年以上の使用権限がある
⑤保管場所が各種法令に抵触しない
⑥点検・整備が出来る広さを有し、適切な器具を用意できる
⑦保管場所の前面道路が車両の横幅の2倍以上の広さである(車両制限令)
7.休憩施設の要件
①営業所と車庫から2km以内の場所にある(独立していれば営業所と併設でも可)
②営業所と独立しており、仮眠が出来る設備があるなど、休憩施設として適切な形態である
③3年以上の使用権限がある
④他の法令に抵触しない
8.任意保険の加入
許可の要件は最低要件として対人8,000万円以上、対物200万円以上となってます。
一般的には、対人補償・対物補償は無制限、搭乗者の補償を兼ねる人身傷害補償を3000万円~無制限にすることが多いです。
9.資金計画
車両費、土地建物経費、機械器具・什器、人件費など運転資金2か月分、その他創業時にかかる費用の100%、保険料・税金等1年に1度必要な金額の50%が最低限必要な資金となります。
具体的には、理想では400万円以上、最低でも200万円以上は考えておいた方が宜しいかと思われます。
これらの資金の確認は、銀行の残高証明書等で確認することになります。
また、申請時点に一度、申請後の法令試験の実施時にもう一度行われますので、車両購入などのタイミングが重要になります。
どうしても上記必要資金が足りないという方でも、当事務所にて創業融資サポートから受け付けますので、諦めず一度ご相談ください。
当事務所にて介護タクシーの開業許可取得を強力サポートします。
大まかな要件は上記にてご理解いただけると思いますが、実際の申請では法令要件の確認等、細かい知識が求められます。
出来るだけ早く事業を開始するためにも、当事務所で介護タクシー事業の許可申請を依頼することをご検討ください。
当事務所では、行政書士の中でも数少ない介護タクシー(福祉タクシー)許可申請を専門に取扱う行政書士事務所です。
そして、当事務所でお取り扱いした案件は今まで多数ありますが、全て許可を頂くことが出来ました。
ほとんどの介護タクシー申請には、土地家屋測量の技術、CAD図面作成の技術が必要です。
当事務所では、土地家屋測量経験豊富な行政書士が、現地測量を行いますので、未登記建物や現地が登記と違う場合の案件も、今まで数件スムーズに申請を通しています。
申請書類の一部のみ作成してほしい方や、途中まで申請を進めていたが、挫折された方等も、申請準備の段階によって当事務所の報酬額を考慮致しますので、お気軽にご相談ください。