産業廃棄物収集運搬許可について


収集運搬業と処分業の違いについての約2分の動画です。音が出ますのでご注意ください。

 

産業廃棄物収集運搬業が必要かどうかの判断

産業廃棄物の収集運搬業が必要となるケースは、以下のパターンです。

 

①他社の産業廃棄物を収集し運搬する場合

②建設現場において、自社が下請で建設工事を請負い、発生した建設廃棄物を運搬する場合*例外有

 

排出者の認定には法に特別規定があり、建設工事については元請人が排出事業者とみなされます。 

従って例えば下請け業者が行う工事で発生したコンクリートくずは元請事業者が適切に処理する義務があります。 

この場合に下請事業者が自ら運搬しようとする場合には産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になります。

 

逆に以下の場合は、産業廃棄物の収集運搬業の許可は不要です。

 

①他社の一般廃棄物や有価物を収集し運搬する場合→別の一般廃棄物収集運搬許可が必要

②自社が元請で建設工事を請け負い、発生した建設廃棄物を運搬する場合

 

*例外(自社が下請けで建設工事を請け負っても産業廃棄物収集運搬許可が不要なケース)

① 次のいずれかに該当する工事に伴い生ずる廃棄物であること。

ア 解体工事、新築工事又は増築工事以外の建設工事(維持修繕工事)であって、その請負代金の額が500万円以下の工事。

イ 引渡しがされた建築物その他の工作物の瑕疵の補修工事であって、その請負代金相当額が500万円以下の工事。

② 特別管理廃棄物以外の廃棄物であること。

③ 1回当たりに運搬される量について、巻尺その他の測定器具を用いて簡易な方法により1立米以下であることが測定できるもの又は1立米以下であることが明確な運搬容器を用いて運搬するものであること。

④ 当該廃棄物を生ずる事業場の所在地の属する都道府県又は隣接する都道府県の区域内に存し、元請業者が所有権又は使用する権原を有する施設(積替え又は保管の場所を含む。)に運搬されるものであること。なお、使用する権原を有する施設とは、元請業者が第三者から貸借している場合のほか、下請負人又は中間処理業者から貸借している場合も含まれること。また、元請業者と廃棄物の処理の委託契約をした廃棄物処理業者の事業の用に供する施設(積替え又は保管の場所を含む。)に、下請負人が当該廃棄物を運搬する場合についても、元請業者が使用する権原を有する施設に運搬されるものであると解釈されること。

⑤ 当該廃棄物の運搬途中において保管が行われないものであること。

 

 

産業廃棄物収集運搬業許可の必要な地域

産業廃棄物収集運搬業の許可は、廃棄物を積込むところ(排出事業者)と降ろすところ(処分先)を管轄する都道府県の許可を受ける必要があります。

例えば、鹿児島県の排出事業所から出る廃棄物を福岡県の処分業者まで運搬する場合は、鹿児島県と福岡県の許可が必要となります。

途中で通過するだけの自治体の許可は必要ありません。(例で言えば、熊本県、佐賀県)

建設業が本業で収集運搬業を兼業する場合は、現場として予想される都道府県の許可と、予想される持込施設の都道府県の許可を受けておく必要があります。

 

産業廃棄物収集運搬業許可の要件

産業廃棄物収集運搬の許可要件は以下の通りです。

 

①収集運搬するために必要な施設を有すること

施設とは、車輌、船舶、運搬容器などのことです。

車輛の種類は、キャブオーバ(平ボディー)、脱着式コンテナ専用車(アームロール)、 ダンプ、セミトレーラ、フルトレーラ、塵芥車(パッカー車)、吸引車(バキューム)などがあります。

許可申請には、有効な車検証の写しと車輌の写真を添付します。

車検証には、所有者又は使用者が申請者になっていることが望ましいです。

申請者が所有者又は使用者のどちらにも該当していない場合、車輛の賃貸借契約書や使用承諾書などが必要になります。

運搬容器については、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、ばいじんなどは、飛散や流出を防ぐために、ドラム缶(汚泥・廃油・ばいじん等)やポリタンク(廃酸・廃アルカリ)、フレコンなどが必要になる場合があります。

車輌の荷台の形状によっては、これら以外の廃棄物であっても容器などが必要になる場合もあります。

 

②経理的基礎を有すること

経理的基礎とは、簡単にいえば、事業をするだけの財務的基板があるかどうかということです。

一般的な添付資料としては、直近3年分の決算書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)と納税証明書(法人の場合は法人税に関するもの、個人の場合は所得税に関するもの)が必要になります。決算期を3年分迎えていない法人でも収支計画書などの添付により申請は可能です(場合によっては、預金の残高証明書などを要求されます)。

直近の決算で「債務超過」の場合、追加書類を必要とする自治体が多いようです。「債務超過」とは、単に損益が赤字かどうかということではなく、資産よりも負債が多いことを言います。

従って、損益が赤字であっても債務超過とは限りません。逆に損益が黒字でも債務超過ということもありえます。

追加書類とは、中小企業診断士又は公認会計士の診断書などです。

また、赤字決算の場合には、収支計画書(申請者が作成可)の添付を求められます。

 

③認定講習会を受講すること

講習会は、各都道府県単位で、産業廃棄物協会が実施していますが、定員数も限られているため近くの会場で受講できるとは限りません。

急いでいる場合は、近くの会場が取れないと遠方の会場に泊りがけで行くようなことになってしまいます。

また、講習会は基本的には、法人の場合は取締役、個人の場合は申請者本人が受講する必要があります(政令で定める使用人を講習会修了者とすることもできますが、政令で定める使用人の定義が自治体により異なりますので注意が必要です)。

講習の最後に試験を行い、合格しないと修了証はもらえません。中には不合格になる方もいます。

講習会の予約は各都道府県産業廃棄物協会に問い合わせましょう。講習はどこの都道府県で受けても構いません(全国共通です)。

なお、当事務所でご依頼頂ける場合は、講習会の予約からサポート可能です。

 

産業廃棄物収集運搬業許可申請の注意

収集運搬業の許可は、「積替え保管あり」と「積替え保管なし」に分かれます。

積替え保管施設を設ける場合は、中間処理施設に準じた手続きが必要になりますので、積替え保管なしの場合の許可申請の手続きと違い、申請の難易度が格段に上がります。

 

積替え保管ありの申請に当たっては、排出事業者と処分業者の予定を決めておく必要があります。ほとんどの自治体で、どの都道府県の排出事業場から産廃を収集し、どこの処理施設に持っていくかの記載を求められます。

この記載により、許可を受けられる廃棄物の種類が決まるのです。例えば、排出事業者が建設業者の場合は、許可を受けられる廃棄物の種類としては、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類となります。

 

こういった、排出事業者の業種によって廃棄物の種類が変わりますので、どういうところから出たものがどの種類に該当するのかをよく確認する必要があります。

 

また、処分先についても、その廃棄物の種類に対応した許可をもっている業者を選ぶ必要があります。

 

申請書には、処分先業者の許可証を添付する必要がある自治体が多いのでご注意下さい。

また、石綿含有産業廃棄物や自動車等破砕物などに関しては、排出事業者と処理先がないと、それらを除く限定が付く場合もあります。

当事務所では産業廃棄物収集運搬業許可、産業廃棄物処分業許可(中間処理施設)を中心に許可取得や許可更新、変更届出等のお手伝いをしております。

費用の目安確認やお問合わせなどは当事務所へお問い合わせください。

 

積み替え保管有りを検討する場合

 

産業廃棄物を収集運搬するうえで決まった場所で積替え又は保管をする場合に必要となる許可です。

例えば、建設現場で排出された産業廃棄物を、自社施設内の一角で一時保管した上で、後日別の車両に積替え集約した上で中間処理施設に持込みするような場合はこちらの積み替え保管有りを取得することになります。

収集運搬業の許可証に積替え保管有りと記載され、施設の所在地や保管場所の概要が表記されます。

手続きに関して収集運搬業の許可の一形態ですが、許可申請の手続きは処分業に準じた手続きとなります。

 

ほとんどの自治体で事前協議制をとっており、都市計画法、その他関連法規上の手続き・調整が必要となります。また、周辺住民の同意取得を求められる場合がありますので、そういった要件をクリアできるか検討が必要です。積替え保管施設は、廃棄物を貯留するため周辺環境への影響が懸念されます。

 

中には受け入れるだけ受け入れて廃棄物を山のように堆積させてしまう業者がいるため積替え保管施設の許可には慎重な自治体が多いのも事実です。

中間処理施設との併設も原則として認めない自治体もありますので、事前に行政への確認が必要となります。

 

また併設を認めている場合でも、処分業の許可品目と重複しないように品目に限定を付けられることがあります。

実務上は、上記要件が厳格になり、許可へのハードルが極端に上がる事や、許可に至るまでに時間がかかることにより、積み替え保管無しの産業廃棄物収集運搬業許可を取得される業者様がほとんどです。

 

産業廃棄物収集運搬許可の必要性

産廃収集運搬業の許可申請が必要なケースとは?・不要なケースとは?

産業廃棄物を収集運搬する際、どのようなケースで許可が必要になるのでしょうか。

今まで産業廃棄物収集運搬許可が不要と思っていた、普段行っている収集運搬が違法行為に該当しているかもしれません。

ここでは、

 

①産業廃棄物とは何か

②産業廃棄物収集運搬業の許可申請とは

③産業廃棄物収集運搬業の許可が必要なケースと不要なケース

を解説いたします。

 

産廃収集運搬業に関わる事業者様はご参考にしていただければ幸いです。

 

①産業廃棄物とは何か

産業廃棄物に関することは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法または廃掃法)」で定められています。

同法の第二条第四項で、定められた産業廃棄物とは、

「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物」となっており、

その他政令で定める廃棄物とは、同法施行令第二条で、

紙くず

木くず

繊維くず

鉄くず

ゴムくず

使用した動物や植物の固形状の不要物

動物のふん尿

動物の死体

などが挙げられています。

また、産業廃棄物のうち、特に爆発性、毒性、感染性が強いものは「特別管理産業廃棄物」と定められ、一般の産業廃棄物を扱うためのものとは別の許可が必要となります。

ここでのポイントは、一般家庭から排出される紙くずや廃プラスチックなどは産業廃棄物に当たらないということです。つまり、事業活動によって生じた特定の廃棄物が「産業廃棄物」であることになります。

 

②産業廃棄物収集運搬業の許可申請とは

産業廃棄物を収集運搬するには「産業廃棄物収集運搬業許可」が必用となります。廃棄物処理法の第十一条第一項では、

・産廃を排出した事業者は、その産廃を自ら処理しなければならないこと。

・産廃の排出事業者は、産廃の処理や運搬を別の業者に委託すること。

・産廃の処理が終了するまで適切な措置をとること。

など、産業廃棄物の排出から廃棄までは適切な処理をしなければならないと定められています。

産廃収集運搬業を行うには、産廃の積み下ろしを行う地域の都道府県知事ごとの許可が必要で、許可取得のためには、積み下ろしとは、仮に 鹿児島県で荷積み→福岡県で下ろし の場合、鹿児島県と福岡県の産業廃棄物収集運搬許可を必要とします。

但し、中間経由地である熊本県等の許可は不要です。

産業廃棄物収集運搬業許可を取得するには、

 

①収集運搬業の講習会を受講している

②経理的基礎を有する

③事業計画が整っている

④欠格用件に該当しない

⑤収集運搬に必要な施設を有する

という条件すべてを満たすことが必要です。

 

仮に、排出した産業廃棄物に対して無許可で運搬をしていたなどの不適切な措置が行われた場合、産廃の収集運搬事業者だけでなく排出事業者も責任を問われ、罰金や刑事罰を受ける可能性が生じるので十分に注意してください。

つまり、無許可で下請の事業者が産業廃棄物を運搬していたなどのケースでは、元請事業者も罰金や刑事罰の対象となります。

 

産廃収集運搬業許可があるとできること

産廃収集運搬業許可があれば、産廃の排出事業者から委託を受けて、産廃の排出先から処理受託者のもとへ産廃を運搬することができます。収集運搬の車両には、

産廃が飛散、流出しない措置を取る

ダンプなどの運搬車両に産廃収集運搬車である旨の表示をする。

産廃収集運搬業許可証の写しなどの書類の備え付けが必要。

などの決まりがあります。

なお特別管理産業廃棄物を収集運搬する場合は、「特別産業廃棄物収集運搬」の許可が必用となるので気を付けてください。

 

③産業廃棄物収集運搬業許可が必要なケースと不要なケース

産業廃棄物収集運搬許可が必要なケース

他社が排出した産業廃棄物を、依頼を受けて中間処理施設や最終処理施設に運搬する場合は、産廃収集運搬業許可が必要となります。

収集場所と運搬先が同一の都道府県であれば、その都道府県の許可のみで構いませんが、別々の都道府県であれば、それぞれの都道府県の許可を取得しなければいけません。

例えば、鹿児島県で排出された産廃を福岡県の処理施設まで収集運搬する場合は鹿児島県と福岡県、それぞれで産廃収集運搬業の許可が必用です。

産廃収集運搬業の許可が不要な3つのケース

1.自社の産廃の収集運搬

2.元請けで解体工事をしたときの解体物の収集運搬

3.「専ら物」の収集運搬

1.自社の産廃の収集運搬

自社の産廃を収集運搬する場合、収集運搬業の許可は不要です。この場合、「自社の定義」が問題となりますが、例えば他社から運転手を借りて、自社のトラックで収集運搬した場合は、違法行為に該当します。

自社で収集運搬する際にも、産廃の飛散、流出、悪臭を抑えるなど安全な措置をとり、定められた車両表示、定められた書類の携帯が義務付けられています。自社で排出さいた産廃だから適当にトラックに積んで処分場まで持っていけば良いというものではないのでご注意を。

2.元請けで解体工事をしたときの解体物の収集運搬

元請けで解体工事をした場合、解体物の収集運搬に関しては収集運搬業の許可は必要ありません。廃棄物処理法では、産廃の処理は排出者の責任で行うことが基本となっているので、自社で発生させた産廃は、自社で処理できるわけです。

一方、下請けとして解体工事をした場合は、元請け業者が産廃を発生させ、解体した業者に産廃の処分を委託したという形になりますので、収集運搬業の許可が必要となります。

3.「専ら物」の収集運搬

「専ら物」とは、再生利用に使われる物で、古紙や古繊維、鉄くず(古銅等を含む)、空きびん類を指します。これらの収集運搬に関して許可が不要であることは、産業廃棄物処理法第十四条第一項に示されています。

具体的な要件や産業廃棄物収集運搬許可の取得相談は当事務所で承りますので、お気軽にお問合せ下さい。

 

講習申込が困難な方に変わって代行申込致します。

産業廃棄物収集運搬の新規許可・更新許可、産業廃棄物中間処理(処分業)の新規許可・更新許可の申請では、講習申込が必須となっております。

それぞれ空いたスケジュールで申し込んでください。となっているかと思いますが、実はかなり面倒な手続きで、講習申込は許可申請の手前の大きなハードルになっているようです。

当事務所では、講習申込だけの代行も受け付けております。

講習申込の代行報酬(税抜)

15,000円(産業廃棄物の申請サポートをセットでご利用される場合は、5,000円とさせて頂きます)

 

講習申込代行までの流れ

お問合せお電話又はフォームにてお問い合わせください。ご希望内容をヒアリングお客様より現在のお住まい、希望の試験場所、希望日時のヒアリングを致します。報酬お支払い当サービスは先払いのみとしております。ご希望条件が合致した時点でお支払いお願いします。受講申込手続きお支払い確認後、受講申込手続きはこちらで行います。お支払い受講料のお支払いはお客様ご自身によるコンビニ払いになります。講習の受講・試験の受験お客様に受講方法のご案内、試験の受験案内を送りますので、講習受講・試験受験してもらいます。

 

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