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貨物利用運送事業登録(許可)の要件・登録(許可)までの流れ

貨物利用運送事業登録(許可)の要件とは?大まかな流れも紹介!

運送事業を始めるためには、登録(許可)を取得する必要があります。

そんな運送事業許可にはいくつかの種類がありますが、今回は「貨物利用運送事業許可」に焦点を当て、定義や要件、大まかな流れについて詳しく解説していきます。

 

これから貨物利用運送事業を始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

・貨物利用運送事業とは?

まずは貨物利用運送事業の定義や種類について詳しく見ていきましょう。

 

・・定義

貨物利用運送事業とは、トラックをはじめとする移動手段を持たず、荷主からの依頼を受けて別の運送事業者に依頼をする事業者のことです。

分かりやすくいえば、貨物運送の手配だけを行い、利用運賃を受け取る事業者のことを貨物利用運送事業者と呼びます。

業界内では、利用運送と略されたり、水屋あるいは取扱(とりあつかい)と呼ばれたりすることも多いです。

 

貨物利用運送事業は、トラックを保有しないため、極端な話「電話」さえあれば事業を始められます。

 

・・種類

貨物利用運送事業には、

・第一種

・第二種

上記2つの種類があります。

 

第一種は、トラックや船舶、航空や鉄道のいずれか1つを利用して行う運送事業です。

第二種は、トラックや船舶、航空や鉄道のいずれか2つ以上を利用して行う運送事業のことを指します。

 

一種の場合は、出荷地点から納品地点までの輸送における“一部”の輸送手配を行うのに対し、二種の場合は出発地点から納品地点までの“全て”の輸送手配を行います。

 

・貨物利用運送事業許可に必要な3つの要件

貨物利用運送事業許可を取得するためには、以下3つの要件を満たさなければなりません。

・営業所の要件

・資金的要件

・人的要件

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

 

・・営業所の要件

貨物利用運送事業では、トラックを所有しません。

このことから、

「営業所は必要ないのでは?」

と考える方もいると思いますが、この考え方は間違っています。

 

貨物利用運送事業であっても営業所が必須となり、以下の要件を満たす営業所を確保しなければ許可を得ることはできません。

・賃貸借契約書があること(賃貸の場合)

・申請者名義になっていること(自己所有の場合)

・市街区調整区域、第一種および第二種低層住居専用地域、第一種中高住居専用地域に該当しないこと

・荷物の保管施設を使用する場合、申請名義の施設か賃貸借契約書があること

・荷物の保管施設が基本的に都市計画法に定める市街区調整区域、第一種および第二種低層住居専用地域、第一種中高住居専用地域でないこと

・荷物の保管施設が荷物に対して適切な大きさ、構造、設備であること

 

・・資金的要件

貨物利用運送事業許可における資金的要件は「自己資金が300万円以上あること」です。

こう聞いて、

「簡単にごまかせるのでは?」

と感じた方もいると思いますが、個人法人問わず、書面で自己資金が300万円以上あることを証明しなければなりません。

 

地域によっては、残高証明書の提出が義務付けられているところもありますので、事前に確認しておきましょう。

 

・・人的要件

貨物利用運送事業許可の人的要件は、そこまでハードルが高いものではありません。

というのも、以下の要件に当てはまっていない場合は、その段階で人的要件をクリアしたことになります。

・申請者が1年以上の懲役または禁錮刑を受けていない、また刑の執行が終わってから2年経過していない者でないこと

・申請者が第一種および第二種利用運送業の取り消し処分を申請から2年以内に受けていないこと

 

法律に違反していない方や、これまでに貨物利用運送を営んだことがない方であれば、難なくクリアできる要件といえるでしょう。

 

・貨物利用運送事業許可の申請に必要な書類と期間

では次に、貨物利用運送事業許可の申請に必要な書類と期間について詳しく解説していきます。

 

・・必要な書類

貨物利用運送事業許可には、

・定款のコピー

・各種申請書

・各種宣誓書

・法人謄本

・貸借対照表のコピー

・役員名簿と役員全員の履歴書

などが必要です。

 

営業所の貸借対照表や営業所の図面、会社の印鑑証明や残高証明が必要だと思っている方も多いですが、これらの書類はなくても問題ありません。

 

また、第一種と第二種で用意すべき書類が変わりますので注意してください。

 

・・期間

貨物利用運送事業許可の申請には、早くて2か月、遅くて4か月程度の期間がかかります。

審査に数か月かかることを見越して、早めに準備を進めていかなければなりません。

また、書類に不備がある場合は差し戻しとなり、許可取得までに多くの時間がかかってしまいますので注意してください。

 

・貨物利用運送事業許可申請の大まかな流れ

では次に、貨物利用運送事業許可申請の大まかな流れについて詳しく解説していきます。

 

・・申請要件を満たしているかを確認する

貨物利用運送事業許可を取得するためには、複数の要件を満たす必要があります。

事前に要件を確認しておかないと、

「会社を作ったのに許可が下りなかった」

「時間をかけて申請書類を作成したのに許可が下りなかった」

ということになりかねませんので、慎重に確認を進めていきましょう。

 

また、要件を満たしているかどうかの判断には専門知識が必要になるため、行政書士に相談しながら進めていくのがおすすめです。

 

・・申請書類の作成と、添付資料の収集を行う

貨物利用運送事業許可を取得するためには、各種申請書類や添付書類を作成する必要があります。

先ほども解説したように、第一種と第二種で用意すべき書類が変わり、難易度も変わりますので、余裕を持って進めていきましょう。

こちらも、知識がない方が行うのは中々難しいため、専門家のサポートを受けながら進めていくことをおすすめします。

 

・・運輸局もしくは運輸支局へ申請する

書類の準備ができたら、運輸局もしくは運輸支局に提出します。

第一種の場合は、利用運送を行う営業所を管轄している「地方運輸支局」に提出し、第二種の場合は「地方運輸局」に提出するのが一般的です。

 

・・証明書を受け取る

申請を行って2か月から4か月ほど経つと、許可書もしくは証明書が交付されます。

この書類を持って、貨物利用運送事業許可の取得完了となります。

当然ですが、申請内容に不備がある場合は許可書や証明書が交付されず、再提出が必要になりますので、不備がないように慎重に書類を作成していきましょう。

 

・・運賃料金設定届を提出する

無事に許可を取得したら、運賃料金表とともに「運賃料金設定届」を管轄の運輸支局または運輸局に提出します。

運賃料金については、国交省が公表している標準的な料金表を使用するのが一般的です。

独自の料金を設定することもできるのですが、場合によっては運輸局や運輸支局から補正が入ることもありますので注意してください。

 

・まとめ

貨物利用運送事業とは、トラックをはじめとする移動手段を持たず、荷主からの依頼を受けて別の運送会社に依頼をする事業者のことです。

電話1本で始められる仕事ですが、許可の取得にかなりの時間と手間がかかります。

今回紹介した3つの要件(営業所、資金、人)を1つでも満たしていない場合、許可が下りませんので注意してください。

 

また、許可申請には様々な書類が必要になるのですが、各種書類の作成には専門的な知識が必要であり、不備があった場合は差し戻しとなりますので、専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。

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